Writer · Scholar · Founder

濱野成秋Seishu Hamano

作家・アメリカ文学研究者・日本浪漫学会創設者

戦中・戦後の原体験からアメリカ文学研究へ。小説、評論、詩歌、朗読、音楽を通して、時代と人間を問い続けてきた。

濱野成秋の肖像
濱野成秋 / Seishu Hamano

「戦争には対話がないですからね。」

— 濱野成秋鈴木孝夫氏との対談「日本人の感性を世界に」(2020年掲載) ↗

01

人物と思想

アメリカ文学と日本の詩歌をつなぐ歩み

濱野成秋は、アメリカ文学の研究と小説・評論の執筆に取り組んできました。学術著作は本名の濱野成生名義で発表しており、図書館の書誌では「浜野成生」とも表記されています。

堺市丈六で空襲を経験し、戦後は進駐軍から英語を学びました。慶應義塾大学ではアメリカの若者思想に関心を寄せ、ロスト・ジェネレーションとビート・ジェネレーションを比較。その後、ユダヤ系アメリカ文学やポストモダン文学を研究し、ニューヨーク州立大学バッファロー校などで教育にも携わりました。

2001年4月から2002年3月には、東京大学アメリカ太平洋地域研究センターの客員研究員を務めました。同センターの公式記録には、当時の所属が日本女子大学文学部英文学科教授と記されています。

日本の詩歌にも幼いころから親しみ、研究と並行して創作を続けてきました。鈴木孝夫氏との対談では、子ども時代の百人一首や歌づくり、アメリカでの詩の朗読を振り返っています。日本浪漫学会では、こうした経験を生かし、詩歌を読み、声で味わい、歌として届ける活動に取り組んでいます。

基礎資料日本浪漫学会「濱野成秋略歴」 ↗

02

一つの歩み、四つの展開

戦中・戦後の経験と、研究・創作・詩歌が重なり合う歩み。

  1. 01

    原点

    幼少期の詩歌と異文化との出会い

    堺市丈六で育ち、幼いころから百人一首や歌づくりに親しんだ。空襲を経験し、戦後は進駐軍から英語を学ぶ。これらの記憶は、本人の略歴や対談にも語られている。

  2. 02

    研究

    アメリカ文学の研究と教育

    慶應義塾大学でロスト・ジェネレーションとビート・ジェネレーションを比較研究。ユダヤ系アメリカ文学やポストモダン文学を研究し、バッファロー校では大学院生に日本の詩歌も教えた。

  3. 03

    2001–2002

    東京大学での客員研究

    東京大学アメリカ太平洋地域研究センター客員研究員(2001年4月〜2002年3月)。同センターの記録には、当時の所属が日本女子大学文学部英文学科教授と記されている。

  4. 04

    創作・発信

    研究と並行する創作・文化活動

    小説・評論に加えて日本語朗読論を発表し、筆名「橘かほり」で作詞も手がける。日本浪漫学会では、詩歌や朗読、音楽を通じた文化発信に取り組む。

03

主要著作

研究・評論と小説を往還してきた仕事から、代表作を選びました。

英題は、既存の公式英題が確認できない場合は編集上の仮訳です。

1978

研究・評論・朗読論

『今日のアメリカ作家群像』

Contemporary American Writers

カート・ヴォネガット、ドナルド・バーセルミ、バーナード・マラマッドらを論じたアメリカ作家論。

浜野成生 著

研究社出版

1984

研究・評論・朗読論

『ユダヤ系アメリカ文学の出発』

The Origins of Jewish American Literature

旧世界から移民期へと至るユダヤ系アメリカ文学の形成を論じた研究書。

浜野成生 著

研究社出版

2002

研究・評論・朗読論

『日本語朗読の楽しみ』

The Pleasure of Japanese Recitation

浪漫主義詩歌から近代小説まで、日本語の文学を声で味わう方法を論じる。

濱野成秋 著

グラフ社

2002

研究・評論・朗読論

『日米映像文学は戦争をどう見たか』

How Japanese and American Screen Literature Viewed War

日米の映画・映像作品を通して戦争表象を比較する編著。

齊藤忠利 監修/濱野成生ほか 編

日本優良図書出版会/金星堂(発売)

2003

小説・短編集

『日朝、もし戦えば』

If Japan and North Korea Went to War

近未来の戦争に翻弄される一家を通して、戦争の機構と人間心理を描く長編。

濱野成秋 著

中央公論新社

2006

小説・短編集

『日本の、次の戦争』

Japan’s Next War

改憲後の日本と国際情勢を描き、戦争への警鐘を鳴らす長編。

濱野成秋 著

ゴマブックス

04

Poetry · Voice · Music

言葉が、声と歌になる

筆名「橘かほり」で作詞を手がけ、ジュン葉山氏による作曲・歌唱へ。日本浪漫学会では、論文や詩歌だけでなく、朗読と演奏を通じた文化発信を続けています。

映像と記事を見る

「なぎさ橋ブルース」— 作詞:橘かほり(濱野成秋)、作曲・歌:ジュン葉山

CD『Seaside Love Stories』

ジュン葉山のCDに収録された「なぎさ橋ブルース」「御成町ブルース」の作詞を、濱野成秋(橘かほり)名義で担当。両曲とも作曲はジュン葉山、編曲は林建英。

収録曲・クレジットを見る ↗

詩歌を読み、声で味わう

会長の詩歌・随筆を日本浪漫学会で読み、朗読の考え方を著作で辿ることができます。

05

日本浪漫学会で読む・聴く

新しい論考、詩歌、朗読、演奏、公演情報は日本浪漫学会で公開しています。

出典と編集方針

経歴は本人・学会の公開資料と大学の記録に基づき、書誌は図書館・出版社の資料を優先して確認しています。書誌情報と作品紹介の出典は分けて掲載し、著・編などの役割は刊行時の記録に従います。確認できない経歴や担当範囲は推測で補っていません。